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SM-H21PM2Q1変更管理プロセスの確実な実施について2

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■サービス又はシステムの名称
生命保険サービス業の社内イントラネット

■対象とする企業・期間
企業・機関などの種類・業種
7. サービス業

企業・機関などの規模
3.301 〜 1,000 人

対象業務の領域
3. 営業・販売 4. 生産 5. 物流

■システムの構成
システムの形態と規模
1. クライアントサーバシステム ア. (サーバ約 30台、クライアント約 1000台)

ネットワークの範囲
2. 同一企業・同一機関の複数事業所間

システムの利用者数
5. 301 人〜 1,000 人

■システム運用の規模・形態など
運用管理及びオペレーション要員数
1.(約 10人)

運用対象の区分
1.他社システムの運用受託

運用開始年月
1.(2001年 4月)

■ITサービスマネジメントにおけるあなたの立場
あなたが所属する企業・機関など
1. ソフトウェア業・情報処理・提供サービス業など

あなたの担当業務
1. システム管理 2. システム運用

あなたの役割
1. 部門マネージャ

あなたの担当期間(2005年 5月)〜( 年 月)

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(設問ア)800字以内
1.ITサービスの概要と変更管理プロセス
1.1.私が携わったITサービスの概要
 生命保険サービスを行うA社は、全国に10ヶ所の支社を展開し、約1000名の従業員が社内イントラネットを利用してメールやグループウェアなどを業務に活用している。私はA社の情報システム子会社に勤務するITサービスマネージャで、社内イントラネットの運用管理を担当者している。
 ITサービスの内容は、利用者からの変更要求対応や機器の監視、故障対応などである。管理対象の機器は、サーバ約30台、ルータやファイウォールなどのネットワーク機器約150台で、24時間365日の稼動を行っている。
 A社の業務は、この社内イントラネットを利用して商品の受注処理や出荷指示などがおこわなれる。そのため、このITサービスはA社のビジネスにとって重要な位置づけである。
1.2.変更管理プロセス
 私の部署では、利用者からの変更要求に対応する際、品質を確保するため以下のような変更管理ルールを定めている。
 1担当者利用者より変更要求を受け付け
 2変更内容、範囲を確認し、変更審査票を作成
 3毎週火曜日に行われる変更審査会にて受け付けた変更要求の実施可否を変更管理マネージャが審査
 4実施が決定された変更の実施状況を変更管理事務局が管理
 利用者からの変更要求は、主に業務内容の変更によるアクセス権の変更が多く、平均して週に4件程度が含まれる。また、これらの対応は受付から実施までに2週間程度の期間を要している。

(設問イ)800字以上1600字以内
2.変更管理プロセスで発生した事象と改善内容
2.1.変更管理プロセスで発生した事象
 私が改善を行うまでの変更管理では、変更の受付から対応までに時間がかかり、利用者からのクレームが多く発生していた。
 具体的には、利用者の所属部署が変わったときなどに、新しい業務を行うことができるよう、ファイアウォールでのアクセス権の設定変更が必要となるが、この対応には2週間前までの申請が必要となっていた。前述した変更管理プロセスで品質を確保するために必要な期間である。
 しかし、利用者にとっては2週間前までに新しい業務内容が全て決まらないこともあり、部署が変わってもすぐに新しい業務が行えないケースが発生していたのである。
 利用者にとって業務に支障が出ているため、私は変更管理プロセスの問題を特定し、改善をする必要があると考えた。

2.2.変更管理プロセスの問題点
 まず私は、変更に時間がかかる要因として、変更の審査が毎週火曜日と決められたときにしか行われないことに問題があると考えた。緊急で変更が必要な場合でも火曜日の変更審査会を待たなければならず、タイミングが悪いと1週間のロスが発生していた。
 次に、変更要求の受付時に優先度がつけられていないことが問題と考えた。担当者が利用者からの変更要求を受け付ける際に、変更内容だけを確認していたが、その変更が必要な時期を確認し、優先度をつけて対応を行うべきである。
 このようにして特定した問題を改善するため、私は以下の2点を変更管理プロセスのルールとして改定した。
 1変更を受付る際に変更が必要な希望時期を確認し、変更審査票に記入すること
 2希望時期が直近の変更要求が発生した場合は、緊急の変更審査会を開催すること
 このようなルールを定めることで、変更の緊急度に応じた対応が可能となり、変更の受付から実施までのリードタイムを短くすることができた。
 利用者からの急ぎの対応依頼にも応じることができるようになり、クレームが発生することは無くなった。

(設問ウ)600字以上1200字以内
3.変更管理プロセスの確実な実施
3.1.定期的に確認するために行っている方策
 変更管理のプロセスのルールは、定めるだけではなく、そのルールに沿って確実に実施されているかどうか、定期的な確認を行うことも必要である。今回のケースにおいても、ルールの運用状況を定期的に確認し、改善状況を見極める必要があると考えた。
 そこで私は、部署のKPIとして、変更要求への対応が利用者の希望時期までに行えているかどうかを設定することにした。
 利用者に確認した希望時期と実際に変更が行われた時期を比較し、1年間を通じて90%以上の達成を目標とした。このようにすることで、メンバーの目標意識として対応のリードタイム短縮を目指すことができ、変更管理プロセス全体のリードタイム短縮につながっている。

3.2.今後の課題
 今後の課題として、変更の内容に応じて審査方法を簡素化することを考えている。
 現在の変更管理ルールでは、アクセス権の変更など、ある程度定型化できる変更内容でも、他の変更と同じプロセスで変更の審査を行っているが、定型的かつ変更による影響が少ないものは、変更のリスクを事前に軽減したうえで審査は簡素にできると考えている。
 変更の実績がある程度積みあがったものは、簡易版の変更審査会で審査するなどで対応工数を削減していきたい。そして、削減した工数をよりプロアクティブな改善活動にまわすことで、ITサービスの健全化を目指していきたいと考えている。
−以上−